新しい作業療法定義を確認してみよう!
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こんにちは.いつも本ブログを訪問くださりありがとうございます.
さて,先日日本作業療法士協会の作業療法定義が33年ぶりに改定されました! 改定作業には,本学科の澤田准教授,友利准教授,大野助教のなんと3人の教員が改定委員の中心となって関わっていました.改定作業には5年かかり,会員の意見に耳を傾けながら何度も推敲されたようで,とにかく大変だった...とのことでした.ご苦労さまでした.
新しい定義では,旧定義と比べて多くの領域で作業療法士が活躍できそうな内容になっています.本学科でも,自ら新しい道を切り開いていけるような,作業療法士を育成していきたいと思います!
旧定義(日本作業療法士協会,1985年)
作業療法とは,身体又は精神に障害のある者,またはそれが予測される者に対し,その主体的な生活の獲得を図るため,諸機能の回復,維持及び開発を促す作業活動を用いて,治療,指導及び援助を行うことをいう.
新定義(日本作業療法士協会,2018年)
作業療法は,人々の健康と幸福を促進するために,医療,保健,福祉,教育,職業などの領域で行われる,作業に焦点を当てた治療,指導,援助である.作業とは,対象となる人々にとって目的や価値を持つ生活行為を指す.
(註釈)
- 作業療法は「人は作業を通して健康や幸福になる」という基本理念と学術的根拠に基づいて行われる.
- 作業療法の対象となる人々とは,身体,精神,発達,高齢期の障害や,環境への不適応により,日々の作業に困難が生じている,またはそれが予測される人や集団を指す.
- 作業には,日常生活活動,家事,仕事,趣味,遊び,対人交流,休養など,人が営む生活行為と,それを行うのに必要な心身の活動が含まれる.
- 作業には,人々ができるようになりたいこと,できる必要があること,できることが期待されていることなど,個別的な目的や価値が含まれる.
- 作業に焦点を当てた実践には,心身機能の回復,維持,あるいは低下を予防する手段としての作業の利用と,その作業自体を練習し,できるようにしていくという目的としての作業の利用,およびこれらを達成するための環境への働きかけが含まれる.