卒業研究で学生が成長すること
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みなさんこんにちは。教員の中川です。
9月18日は敬老の日でしたね。厚生労働省は全国の100歳以上の高齢者が過去最多の9万2139人であると発表しました。いよいよ人生100年時代が到来します。
100歳以上の人をセンテナリアン(centenarian)(日本語では百寿者)と呼びます。センテナリアンの充実した生活のために、どの領域の作業療法においても、高齢者を積極的に援助していく時代になりました。
先日ブログでは、卒業研究発表会の様子をお伝えしましたが、その後4年生はその研究をまとめた卒業論文を大学に提出しました。学生のみなさんはほっとしているところです。
今回は、そのほっとしているタイミングで、「卒業研究で学んだことを自分が未来で活かしているイメージ図」を、中川ゼミの4年生が描いてくれたので、ご紹介します。大学4年間での、学生の成長の一端がお伝えできたらうれしいです。
一枚目は、超高齢者の心理的適応(老いを前向きに受け入れること)支援について、文献を調べた学生の絵です。ほんわかした雰囲気で、未来のセラピストの、高齢者と家族の日々の暮らしに寄り添いたいという気持ちが伝わりますね。
二枚目は、家族の顔を忘れてしまう認知症の高齢者への支援ついて、文献を調べた学生の絵です。現在、認知症の進行を止めることはなかなか難しいのですが、それでも人生の最期まで患者や家族に関わり不安を和らげたいという、希望を感じさせるセラピストの笑顔ですね。
三枚目は、身体障害で入院する患者の精神面への積極的な関わりについて、文献を調べた学生の絵です。身体の健康だけでなく、こころの健康も同時に支えるぞ!という決意が伝わってくるようで、頼もしいですね。将来、私(教員)が入院することになったら、ぜひ治療担当してほしいと本気で思います。
最後は、目に異常はないのに脳疾患のため世界が半分しか見えなくなってしまうという障害の患者に、鍵盤楽器を使ってリハビリテーションできないか、ということを調べた学生の絵です。将来も、患者の意欲を保ち、積極的にリハビリをしてもらえるよう、教科書に載っていないことも調べて、目の前の患者さんに一番良い治療を選択できるセラピストになれそうですね。
卒業研究は、1年生から学んだことを活かして、3年生から所属した研究室のゼミで取り組みます。絵からわかるように、4年生のみなさんは、同じ授業を受けて同じ知識や技術を得た上で、それぞれ違う興味に沿って研究し、将来の作業療法士としての自覚や個性も育っていっているようで、とてもよい学びができたと思います。
ブログをご覧のみなさんに、本学でじっくり4年間かけて作業療法士になっていくという学びの魅力をお伝えできていたら幸いです。