目標設定の科学:やる気を行動に変換する
| 固定リンク 投稿者: 作業療法学専攻ブログスタッフ
こんにちは。教員の友利です。
私は「目標設定」を専門に研究しており、その成果の一つとしてADOC(エードック)というアプリを開発しました。2011年に公開して以来、現在では日本だけでなく海外のリハビリテーション現場でも広く使われています。
目標を立てる。これは学生の皆さんにとっても身近なことではないでしょうか。 志望校合格、内申アップ、あるいは部活動での入賞。 大きな目標が決まると、それに応じるように日々の行動の方向性が決まってきます。
例えば、志望校合格という目標があれば「1日2時間は勉強しよう」と考えますし、部活で勝ちたいと思えば「毎日3キロ走ろう」という具体的な行動につながります。目標は、私たちの日常を整えるための基準になります。
しかし、ここで多くの人が共通の壁にぶつかります。 「目標は立てたけれど、思うように動けない」という経験です。
心理学ではこれを、意図ー行動ギャップ(Intention-Action Gap)と呼びます。やる気はあるのに、実際の行動が伴わない。これは意志の強さの問題ではなく、人間なら誰にでも起こる現象です。
このギャップを埋めるための具体的な手法の一つに、If-Thenプランニングがあります。 やり方はシンプルで、「もし、こういう状況になったら(IF)」「この行動をする(THEN)」というルールをあらかじめ決めておくだけです。
先ほどの例を、この形式で書き換えてみます。
志望校合格のために 「朝起きて顔を洗ったら」すぐに机に座って最低1時間勉強する
内申アップのために 「英語の授業が始まったら」必ず一つ質問をする
部活での入賞のために 「土曜日の朝ご飯を食べたら」着替えて3キロ走る
このように、行動の「きっかけ」となる場面をピンポイントで指定しておくことで、その瞬間が来たとき迷わずスムーズに動けるようになります。
せっかく立てた目標を、ただの「願い事」で終わらせてしまうのはもったいないことです。目標を立てたときには、それを実行するためのIf-Thenプランもセットでデザインしてみてはいかがでしょうか。
引用文献
- Webb, T. L., & Sheeran, P. (2006). Does changing behavioral intentions engender behavior change? A meta-analysis of the experimental evidence. Psychological Bulletin, 132(2), 249–268.
- Gollwitzer, P. M., & Sheeran, P. (2006). Implementation intentions and goal achievement: A meta-analysis of effects and processes. Advances in Experimental Social Psychology, 38, 69–119.






